魚には水銀が含まれている!?健康への影響を解説!

魚をよく食べる方の中には「魚に水銀が含まれているって本当?」「魚に含まれている水銀を取ると健康に悪い?」などの疑問を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで本記事では、水銀の種類や本当に魚に水銀が含まれているのか、健康被害などを詳しく説明します。

魚をよく食べる方や魚に含まれる水銀について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

水銀には3種類ある

水銀には3種類ある

 

水銀には3種類あることをご存じですか?

以下では、それぞれの水銀の特徴を詳しく説明します。

1.金属水銀(水銀蒸気)

金属水銀(水銀蒸気)は体温計、血圧計、蛍光灯に含まれている水銀です。

唯一の液金属であり、蒸発しやすい特徴があります。

消化管から吸収されにくく、摂取するとカゼ症状や紅色皮しん (初期症状)、肺炎、貧血、腎障害などの発症につながる可能性があると言われています。

2.無機水銀(塩化第二水銀)

無機水銀(塩化第二水銀)は顔料や薬、電池などに含まれている水銀です。

消化管から吸収はされにくく、消化管に対して強い毒性を有する特徴があります。

摂取すると、腹痛や嘔吐、血性下痢などの消化器症状が現れる場合があります。

3.有機水銀(メチル水銀)

有機水銀(メチル水銀)は、魚介類に含まれている水銀です。

有機水銀化合物の一種で、食物連鎖によって魚介類に蓄積します。

消化管からほとんどが吸収され脳へ移行する特徴があり、摂取すると中枢神経や神経細胞に障害を引き起こす恐れがあります。

魚には水銀が含まれているって本当!?

魚には水銀が含まれているって本当!?

 

魚には、微量のメチル水銀が含まれていますが、含有量は低いため健康に問題はありません。

しかし、マグロのような大型魚介類には、食物連鎖によってメチル水銀が濃縮され、濃度が高くなっている場合があります。

メチル水銀を摂取しすぎると、胎児に影響があると言われており、特に妊婦さんは大型魚介類の食べすぎには注意が必要です。

魚に含まれている水銀は「メチル水銀」

 

メチル水銀はもともと大気中や土壌、海水中で無機水銀の形で存在しています。

海水中に含まれている無機水銀は、バクテリアによって有機水銀の一種であるメチル水銀に変えられます。

海水に溶け込んでいるメチル水銀は、プランクトン→小魚→肉食魚といった食物連鎖によって、魚介類に蓄積蓄積されていきます。

このように、メチル水銀は食物連鎖によって蓄積されていくため、大型の魚になるにつれてより濃度が高まっていきます。

微量であるため健康に被害はない

魚に含まれているメチル水銀は微量であるため、健康に問題はありません。

しかし、マグロのようなメチル水銀の濃度が高い大型魚介類を摂取しすぎると水銀の取りすぎになる可能性があるため注意しましょう。

妊婦さんは魚の食べ方に少々注意が必要

魚にはたくさんの栄養素が含まれています。

そのため、魚を接触的に摂取したいと考えている妊婦の方もいらっしゃるでしょう。

体によいとされている魚ですが、食べすぎると魚に含まれているメチル水銀が、胎児の中枢神経系(脳)の発育に影響を与えてしまう可能性があります。女性の平均一日魚摂食量は73.6gであるため、それを超えないように注意しましょう。

水銀の濃度が高い魚と、水銀の濃度が少ない魚を組み合わせて食べるのがおすすめです。

大きい魚は小さい魚よりも水銀濃度が高い

 

大きい魚は小さい魚よりも水銀濃度が高い

 

大きい魚が小さい魚よりも水銀濃度が高い理由は、先述の通り食物連鎖が関係しています。

メチル水銀を含むプランクトンや小魚が、大きい魚に食べられていくため、徐々にメチル水銀が蓄積されて濃度が高まるのです。

日本で起きた水銀による被害

日本で起きた水銀による被害

 

日本で起きた水銀による被害で有名なのが「水俣病」です。

水俣病は、昭和31年(1956年)4月21日に熊本県水俣市月浦地区に住む5才の女児が手足の痺れや口が聞けないなどの重い脳症状を訴えたのが始まりです。

その後、新潟水俣病の発症も確認され、その原因が新日本窒素肥(株)から排出されたメチル水銀化合物による魚介類の汚染ということが発覚しました。水俣病の患者は、汚染された魚介類を長期にわたり食べたことで中毒性の神経系疾患を引き起こしたと考えられています。

水俣病は、環境汚染により引き起こされた健康被害であり、汚染された地域の自然や地域社会全体にも大きな問題をもたらしました。

水銀が生体に影響するメカニズム

有機水銀は、中枢神経に影響を与える有害金属です。

メタル水銀は、特に水銀への感受性が高い胎児に胎盤を通して移りやすいく、胎児の中枢神経(脳)の発達に影響が出る可能性があると言われています。

それゆえ、妊婦の方は魚の摂取量に注意する必要があります。

体内におけるメチル水銀の蓄積量を調べる方法

私たちは毎日の食事で微量のメチル水銀を摂取していますが、体内に入ったメチル水銀は半分が70日で体外に排出されると言われています。

このうち、一定の割合で毛髪にも排出されるため、毛髪の水銀濃度を測定することで、体内に蓄積されているメチル水銀の量を推定することが可能です。

魚介類をよく食べる方は、通常の人よりもメチル水銀の摂取量が多いため毛髪の水銀濃度が高くなりますが、健康に影響が出るほどではありません。

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